光の村ブログ

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できないが悔しくて

「また、うまくできなかった……」
ゲス折りに挑戦する彼の手が、ふと止まりました。(ゲスとは箱の中に入れる仕切りの一種)
それは、何度目かの失敗のあと。少しうつむいた彼の表情には、悔しさと自分への怒りがにじんでいました。

彼にとって、ゲス折りは「難しいけれどやってみたい」作業でした。
折り紙や厚紙を使って家でも練習してくれたお母さんの努力もありました。
でも、なかなか思うようにはいきません。そんなとき、ふとそばにいたおばあちゃんの何気ないひと言に、彼の心は大きく揺さぶられました。
「まだできないの?」その言葉に、彼の中の“プライド”がざわついたのかもしれません。
目にはうっすら涙を浮かべ、うつむいたまま、話しかけても返事はありませんでした。

諦めない、出来るようになるまでは

「できないことを気にするんじゃなくて、できるようになろうと頑張ることが大事なんだよ」
職員がそう声をかけても、彼はなかなか気持ちを切り替えられずにいました。

彼には、強い気持ちがあります。
“できない自分”を認めるのが、とても悔しいのです。
だからこそ、周りの子ができているのを見ると、胸の奥がちくりと痛むのです。

けれど、私たちは知っています。
彼がどれだけ悔しくても、あきらめずに手を動かしてきたこと。
その姿こそが、誰よりも「成長している証」だということを。

だから、私たちはそっと寄り添い、見守ります。
できるようになったその瞬間には、全力で褒め、彼の中に「できた自信」をひとつずつ積み重ねていけるように。

悔し涙の奥にある、「ほんとうは、できるようになりたい」というまっすぐな気持ち。
それに気づけたとき、支援者の心もまた、そっと動かされるのです。

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