一年クラス

一年クラス

「光の村」初めの一歩

見学のお申し込み

クラス日課

9:00 部位運動+走り拭き
11:30 体育(器械体操など)
12:00 昼食
13:00 入浴
15:30 洗濯
16:30 日記 > 評価 > おやつ
18:00 夕食

健康な体作り+規則正しい生活

体の学び

第一歩の学びは「体」です。肥満や柔軟性の欠如・姿勢をまっすぐの状態で保持出来ないなど、入園する園生のほとんどが、体の機能を十分に活用できていない状態です。一年クラスでは、先ず雑巾濯ぎ・絞り+走り拭きを通し、体幹を鍛え、バランス感覚を養い、全身の機能回復を目指します。

走り拭き

雑巾濯ぎ・絞りと走り拭きで握力と指先の力・腕の力・体幹を鍛える

雑巾を絞る動作と走り拭きは、握力を高める・体幹を鍛えてバランス感覚を養う効果がある等、各方面の専門家が提唱している運動療法であリハビリ療法でもあります。また雑巾を絞る動作は左右反対の動きを同時に行う為、右脳と左脳を活性化する効果もあります。そして何より高いダイエット効果があり、入所時に肥満体型だった人も、適正体重に近づいていきます。

二つの目標と手順

個別に設定されたグラム数になるまで、デジタル秤で計量しながら固く絞ります。数字が指定グラム以下になれば「○」なので、園生にとっても絞り具合の良し悪しがはっきりします。また走り拭きの往復回数は、園生の能力に応じて目標数を設定しています。その日の記録表に一往復終わる度に「正の字」を自分で書き、到達度を確認できます。体力的にも厳しい走り拭きですが、表を見ながら「あと3回、あと2回」とゴールを意識した進め方をする事で、目標に向かって頑張る気持ちや終わった時の達成感が得られる為、心の安定にも繋がっています。

絞る度に計量して重さを確認します。目標の重さ以下であれば「○です!」と担当の職員から認められます。
「良く頑張りました!」それぞれの目標を達成する事で、周囲から褒められて自信もつきます。「正の字」はその頑張った証ですね。

体を清潔に

人の体の形はとっても複雑です。その複雑な体を自分の力で清潔に保つためにはどうしたら良いでしょうか?一年クラスでは、入浴指導に十分な時間をとり、頭の先から足の先まで綺麗に洗う方法を丁寧に指導します。手順を覚えるまで時間がかかりますが、辛抱強く教えていく事で園生達は確実に覚えていきます。

入浴指導

洗髪・洗顔・洗身をパターン化して習得する

健康な生活を送るためだけではなく、社会人として暮らして行く為にも、自分の体は常に清潔に保たなければいけません。石鹸の付け方、垢すりの握り方、手の動かし方を全て手順通りに行う事で、園生達は自分の体を自分で清潔な状態に保つ術を身につけていきます。介護のように人に洗ってもらうのではなく、自分で洗える術を身に付ける事、それは彼らの尊厳を守ることにも繋がります。

「清潔」の感覚を身に付ける

人として集団生活・社会生活を送り、健康的な毎日を営むのに欠かせないのが入浴指導です。「清潔さ」は感覚の訓練でもあり、生涯に渡って大きく影響する問題です。特に陰部・生殖器官・肛門部分を清潔に保つ事は、臭いの問題だけでなく、雑菌の繁殖を防いで病気の予防に繋がる大切な指導です。園では頭、顔、胴体・背中・尻・脚・足先など、部位ごとに細かく洗う手順を定め、根気良く教え込んでいきます。また園では高い健康効果と美容効果があるとして広く知られている「温冷浴」を取り入れています。

首筋から頭頂へ、耳上から頭頂へ。丸い形の頭を満遍なく洗い、泡が頭皮に残らないように指導しています。
足指の間には埃や砂粒が付着しています。一本一本の指の間をしっかり広げて洗います。

暮らしの学び

常に清潔でいる事・身の回りの整理整頓を行う事。私たちの暮らしの中には多くの学びであふれています。自分で汚した下着の洗濯や整理整頓など、他人任せにしていると学びの機会は失われます。私たちの日常の中で行われる様々な動作は、園生達にとって素晴らしい機能訓練となります。

洗濯指導

なぜ今どき洗濯板を使うのか?

便利な全自動洗濯機がある中で、昔ながらの洗濯板を使ってゴシゴシ洗う理由とは?洗濯の動作を紐解くと、「手で揉む・ゆすぐ・絞る・皺を伸ばす」この動作の繰り返しです。知的に遅れがある人達の殆どが、指先に力を込める事が苦手で手首の柔軟性も欠けています。ですがこの洗濯板を使った機能訓練を受ける事で、微細運動能力が飛躍的に向上し、手首の柔軟性も養われます。

白い下着で汚れを認識+洗濯の手順を覚えて作業の終わりを明確に

「汚れると気持ち悪い>気持ち悪いから着替えたい」と言う意識を身につける事も、彼らにとって難しいポイントです。園では、入浴前に職員に下着を確認してもらい、汚れている場合はトイレの流しで下洗いをするようにしています。「汚れてますね。きちんと拭かないと汚いですよね?」入浴の度にこの確認作業を行う事で「次からは汚さないように気をつけよう」と言う意識を育てます。また洗濯の手順・揉み洗い・すすぎの回数を明確に定めているため、最後までやり切る事で「作業の終わり=清潔になった」と、洗濯作業のゴールを自分で見極めることができます。全てを洗濯機任せにするのではなく、手洗いをする事で「清潔」の感覚を着実に身につける事ができます。

「洗濯の準備をしてください!」職員の声掛けで、園生達は洗濯セットを準備して流し台に集まってきます。タライの中にパンツ・靴下・タオルを入れ、洗濯板の上にはタワシ・石鹸・雑巾二種類をセットして準備完了です。
手洗いしたパンツや靴下、タオル以外の衣類は、洗濯機でまとめ洗いをしています。自分の衣類をカゴから取り出し、ピンチハンガーに干しています。干し終えたらホールへ移動させ、翌朝晴れていれば外干しをします。
クラス目標

一年クラスの目標は「健康な体と健全な心を育む」です。入園当初は身体的な問題を抱えている方も多く、カリキュラムの多くは体力作りが活動の中心になります。また肥満や体の柔軟性の欠如だけでなく、過剰な支援によって自分でできるはずの事柄も人任せになっている事が多いため、彼ら自身が自らの生活に不満を持ち、その事から情緒の不安定さや行動障害を抱えている人も多くいます。走り拭きやランニングによって適正体重に近付けながら、身体能力を向上させ、洗濯指導や入浴指導で自立心や清潔さなどの感覚を育てます。親元を離れた環境に身を置き、自分の事は自分で行い、仲間と共に送る規則正しい園生活は、本人や保護者にとって大きな変化と成長をもたらしてくれるはずです。また生活の状況が大きく変化する事に依る保護者の不安に寄り添い、本人との関わり方についての助言や支援方法などの擦り合わせを密に行い、親子の関係改善も目標の一つです。