職員紹介
光の村のリーダーシップ・私たちの想い
- 昭和28年(1953年)千葉県香取市(旧佐原市)生まれ
- 千葉県立佐原高校を経て早稲田大学政治経済学部卒業
- 昭和53年(1978年)日本経済新聞社入社
- 政治部編集委員、ネット編集部長、
- 電波・電子戦略室長などを歴任
- 平成9年(1997年)障がいのある長男が千葉光の村授産園に入園
- 令和8年(2026):光の村理事長就任
社会福祉法人首都圏光の村 理事長
奇跡は信じることから始まる
岡本前理事長の後を受けて、令和8年6月末から理事長を務めています。今後ともご支援ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。 さて、障害を持つ人たちが千葉光の村に入園し、しばらくして入園前の様子を知っている方が運動会などの園の行事を見に来られると「とても信じられない。これは奇跡だ」と言って驚く方が大勢います。しかし、これは奇跡でも何でもありません。家族も周りの人たちもこの人たちは何もできないし変わらないとあきらめて、可能性を信じてこなかっただけではないでしょうか。光の村は可能性を信じて地域の中で生きていける力がつくように教え続けます。「しつけ」を漢字で書くと「美しい」と「身体」を合わせた「躾」と言う字になります。光の村は体力や生活力をつけることで、力強く清潔な身体を維持し、親と一緒に地域社会の中で幸せに暮らしていけるように愛情をこめて教え続けます。障がい者の親として千葉光の村と共に歩んできましたが、これからも障がい者と家族が幸せであり続けるために光の村の教育を充実、発展させていきたいと考えています。
親や職員も成長できる施設
光の村は、職員も親も利用者と一緒に育てられていく施設です。障害のある人たちの行動はなかなか理解できない事が多く、職員も親もいろいろ悩みながら成長していきます。物を壊したり他人を叩いたりした時、職員や親を困らせるためにわざとやっている場合もあるだろうし、職員や親がわかってくれないから態度で示しているのかもしれません。それでもこうしたことはいけないことだとわかるようになるまで、時間をかけて教え続けます。問題を丁寧に一歩ずつ解決していく事で職員も親も一緒に成長していきます。最終的に利用者が変わっていく事で職員はやりがいを感じることができるようになり、親も我が子をより信じられるようになります。私はある陶芸家の先生が作品作りの際に念頭に置かれている「力まず、焦らず、留まらず」という言葉を「座右の銘」として使わせていただいています。光の村は一人一人の個性を大事にし、障害の特性に配慮しながら、まさに焦らず時間をかけて一歩ずつ教えて行きます。光の村の玄関を入ると多くの利用者が「こんにちは」「おはようございます」とにこやかに声をかけてくれます。この声を聞くとこちらの心が温かくなります。地域の方々とこうした日常のあいさつを交わせることも親と一緒に地域で暮らしていくための第一歩になると確信しています。
可能性をとことん信じる
障害者支援とご家族の意識
現在の障害者支援は「個別支援」と呼ばれる支援計画に基づき、それぞれに合った様々な福祉サービスを提供する仕組みとなっています。ただ、福祉業界の人手不足は大変深刻な状況です。利用するサービスは個別に選択できても、ご本人への具体的な支援までは行き届いていません。またサービス利用中の怪我やトラブルを避けるため、施設内で放置されてしまう状態は、親御さんやご本人にとっても大変辛いことです。そして生活に支障をきたす程の強い”こだわり”や他害のある方は、利用そのものを断られてしまいます。また親御さんの意識としても「本人の意志」を尊重しすぎてしまった結果、その要求に振り回されて疲弊し、精神的に追い詰められているご家族も残念ながらたくさんいらっしゃいます。
「ありがとう、助かったよ。」
長年、園生達の成長を見守ってきましたが、彼らも社会とのつながりを強く望んでいると気付かされます。言葉で表現することはできなくても、様々な家事や清潔さを保つための生活のスキルを身につけたことで、家族から「ありがとう、助かったよ」と認めてもらえ「自分でできた!」と言う成功体験の積み重ねで意欲的になり、問題行動やこだわりが確実に減って大きく成長する姿を数多く見てきたからです。私たちが実践する光の村の「個別支援」とは、自分のことが自分でできるようにするための介助や声かけの方法や、直すべき点の伝え方などのアプローチを、それぞれが習得できる方法を探ることを指しています。言葉で理解できる人や、表を作って確認しながら実践することで理解する人。またはそれぞれ異なる好みや目標にできる事柄を見出して、前向きに活動できる方法を「個別」に考案することを指しています。その習得にはもちろん個人差がありますが、根気良く教え続けることをモットーとしています。それは社会の中で多くの人たちと関わり、親亡き後も周囲から慕われて大切な存在となるための土台作りでもあります。
可能性を信じるとは
私たち光の村では、全ての職員が障がいがある方々の可能性を信じて支援をしています。それは具体的に言えば、諦めずに手を取って教え続けることですが、支援の鍵は親御さん自身に、お子さんには大きな可能性があることを伝え続けることでもあります。長年、様々な問題を抱えたご家族と関わってきましたが、入園して間もない頃は、お子さんの成長や変化を期待できない方が殆どです。ですが光の村での集団生活を経験することにより、規則正しい生活が身に付き、強いこだわりから徐々に解放されることで、様々な人と関わりが持て、集団の中で確実に成長してくれる姿を見てきました。言語化が難しい彼らにとって、思春期は人生の大きなターニングポイントです。お子さんへの対応で悩んでいる全ての親御さんに、あなたのお子さんは大きな可能性を秘めた存在であることを、先ずは信じて欲しいと心から願っています。
日々の観察を大切に
看護師として大切にしていること
この仕事に従事する上で、私が大切にしていることが二つあります。それは「観察と応援」です。ただ見ているだけではなく、彼らの生活状況・癖・行動パターン・性格など、個々を理解した上での「観察」が必要不可欠です。言語化が難しい方々だからこそ、この観察がとても重要だと思っています。例えば嫌なことがあった時、その場から逃げたくなって病気や痛みを訴えることもあります。そんな時は心のケアが必要です。日頃の観察を通じ、積み重ねてきた経験則で見極め、アプローチの方法を変えています。そして日々の生活を頑張れるための心のケアと、彼らにとっての応援団のような存在でありたいと思っています。頑張るために必要な心の安定。長期的な視点から成功体験を積み上げていくことによるリカバリー力の向上。彼らをじっくり観察し、応援することでココロの貯金を増やせるように支援しています。
薬の必要性
薬を飲んでいない場合で多く見られるのは、興奮状態が続いて不安定になり、心身ともに疲れてしまうケースです。またその逆では、薬の量が多く、悪影響が出てしまうこともあります。「自分のことは自分でする」光の村の生活教育によって、心が安定するケースをたくさん見てきました。手順によって始まりと終わりの見通しを持ち易く「自分でできた!」と言う達成感や自信が安定に導くのではないかと考えています。私は薬に対して飲む飲まないを含め、その人に合った状況と種類と量を考えていくことが必要だと思っています。薬の調整には医師との情報共有や、ご本人に対する理解をしていただいた上での調整が必要です。その為、病院への付き添いを実施することもあります。服用における問題やリスクを把握して観察を続け、血液検査を定期的に行った上で評価をしています。